左を向く人

地下鉄に乗り換えるため、改札を出て横断歩道を渡って階段を降りる。ここの階段は人が少なくて、いつも仕事帰りには一旦ここでふう、と一息つく。地下鉄の改札を抜けて、ついさっき行ってしまったばかりらしいホームで、なかなか来ない次の電車を待つ。利用する人の数に比べて、本数が少ないなといつも思う。やっと電車が来た。ドタドタとたくさんの人が降りてくる。たくさん降りるわりには、私が乗るときにはちょうど席が埋まっている。ここで座れないと、ほとんどの場合家までの15分は立ちっぱなしだ。地下鉄だからか格安スマホだからか、この電車では電波が繋がりづらい。かといって本を出す気にもなれず、ツイッターで昔読み込んだタイムラインを遡ったりしながら、なんとか遅い携帯を使う。そのうち飽きて、ぼーっとしながら音楽を聞いてやり過ごす。15分は結構長い。やっと最寄り駅に着いた。降りる人は少ない。すいません、と言いながらリュックを抱えて人をすり抜けホームに出て、またここではあ、と息をつく。階段をのぼって、改札へ。歩いている人たちは、改札を出る前にちらっと左の方を向く。急いでいる人も、のんびりしている人も、性別に関係なく、ひとりでいる人は特に。そのあとに、改札を出る。わたしも横目で左側を見つつ、改札を出る。右に曲がって家へ向かう。今日のごはんはどうしようか。作る気にもなれないから、適当に買って帰ろうかな。冷蔵庫にトマトと卵があるけど、まあいいや。